むし歯の主な原因は、細菌感染です。しかし実際は、細菌があることに加えていくつかの「むし歯になりやすい条件」が重なることでむし歯になるとされています。
むし歯の直接な原因となる細菌や、細菌が起こりやすい条件を調べるために最適な方法が「唾液検査」。唾液検査を行うことで、患者様ご自身に合ったむし歯予防ができるようになります。
むし歯の原因となる細菌を残さないようにするだけでなく、細菌を増やさない口腔環境を作るよう心がけましょう。
唾液検査では、下記のことがわかります。
唾液には、口腔内を自浄したり殺菌したりするはたらきがあります。さらに再石灰化を促す作用もあるので、歯を強くして細菌から守ってくれることも。よってお口の中を健康に保つには、十分な唾液量が必要です。
唾液緩衝能とはお口の中のpHに変化が起きたときに、酸性が強くなった環境を中和させて正常な範囲へ戻そうとするはたらきのことです。通常お口の中のpHは中性に近いのですが、食事を摂ったときや口腔内の一部の細菌が酸を発生させることで変化します。唾液緩衝能は、とても大切な役割を果たすのです。
ちなみに唾液の分泌量が少ないことが、唾液緩衝能の低下につながる場合もあります。
お口の中には数多くの細菌が生息していますが、唾液検査で調べる細菌は「ミュータンス菌」と「ラクトバチラス菌」の2種類です。これらの細菌数が多ければ多いほど、口腔内はむし歯が発生・進行しやすい環境にあります。
唾液検査は、むし歯を予防したいと考えるすべての方におすすめです。
中でも下記に当てはまる方は、ぜひご検討ください。
唾液の分泌量が少ないと、むし歯になりやすいこと以外にもさまざまな悪影響を及ぼします。
少ない唾液分泌量が原因で細菌が繁殖すると、むし歯だけでなく歯周病のリスクも高まります。歯周病はもともと成人に多い病気ですが、最近はお子様にも歯肉炎を発症する方がいらっしゃいます。唾液検査は成人だけでなく、お子様にも非常に有効な検査です。
前述の通り、唾液は自浄作用や殺菌作用をもっています。唾液の分泌が不十分な場合、細菌が増えて口臭の原因となることがあるのです。
当院の唾液検査は、SiLL-Ha(シルハ)という機器を用いて行います。
唾液をもとに患者様の口腔環境をデータ化するのみなので、5~10分程度で結果が出るのが特徴です。
検査結果のご説明の際、併せて最適な治療方法や予防方法をご提案させていただきます。
唾液検査は短時間かつ簡単に行える検査ですが、いくつかの注意点があります。
また何らかの事情で抗生剤を服用している場合は、事前にスタッフへお知らせくださいませ。